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日亜化学工業がBizRobo!の内製開発で 年間3万3,000時間相当の人的リソースを創出

2025.3.18

~FAシステム内製の文化をバックオフィスに転用し、約400体のロボットが稼働~

オープングループ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:高橋 知道)の子会社であるオープン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:石井 岳之、以下「オープン」)は、日亜化学工業株式会社(本社:徳島県阿南市、代表取締役社長:小川 裕義、以下「日亜化学工業」)がRPAツール「BizRobo!」の内製開発により約400体のソフトウェアロボットを稼働させ、年間3万3,000時間相当の人的リソースを創出したことをお知らせいたします。

BizRobo!導入に至った経緯

光半導体および化学品メーカーである日亜化学工業の生産現場では、製品のほか、自動化設備やシステムも内製化されています※1。設備や人の管理を担うバックオフィス部門においても同様で、自社製システムは多く利用されてきましたが、業務の自動化まで達成している例は相対的に少ない状況でした。
そうした中、ある講演で「RPA開発を通じたデジタルレイバー(仮想知的労働者)の活用が、高度なDXを目指す出発点になりうる」という話を耳にしたことから、大手メーカーによるRPA内製事例も参考にしつつ、導入検討がスタートしました。
ツールの検討過程では複数の国内ベンダー製品を試用し、社内環境との適性を確認したことに加え、スモールスタートに見合う初期投資額のほか、長期運用を前提に今後10年で見込まれる管理・運用コストも比較した結果、段階的にライセンスを増強できるBizRobo!の採用を決定しました。まずは2019年にクラウド型RPA「BizRobo! DX Cloud※2」を導入し、その後の利用規模拡大に伴い、2022年からは開発・実行環境をオンプレミスで構築する「BizRobo! Basic」への移行を行いました。
BizRobo!を選んだ理由としては他にも、詳細な技術情報が公開されている上にサポートも手厚く、ライセンス変更に伴う移行作業も円滑に進められる点が挙げられました。

※1:https://www.nichia.co.jp/jp/about_nichia/system.html
※2:現在は提供を終了

約400体のロボットが稼働、年間3.3万時間相当の余力を創出

日亜化学工業では共通のロボットを多用途で用いる例などもあるため、正確な実数は算出していないものの、現在数十業務で約400体のソフトウェアロボットが稼働しています。このうち製造設備の定期点検に関する実績・予定リストを作業担当者にメール配信するロボットは、管理担当者の勤務時間外を含めた日次での自動配信を実現したことにより、作業側の時間確保を容易にしました。また、製造指図書や掲示物の定期見直し期限を作成者・管理者に通知するロボットは、残日数による絞り込みから宛先の特定、メール送信までの手作業を自動化しています。
さらに製品・製造プロセスの設計時に潜在的リスクを記録する「FMEA(故障モード影響解析)文書」では、使用済みIDとの重複チェックや、重複がない場合のマスタへの転記、重複した場合の修正依頼メール送信を自動化し、実行ボタンを押すだけで一連の処理が完結するようになりました。

各メンバーから回ってきたFMEA(故障モード影響解析)文書を、マスタ文書に反映する作業

導入後1年で、BizRobo!のリソース創出効果が人件費換算でライセンス費用を上回り、日亜化学工業では現在、年間3万3,000時間の手作業に相当する作業をRPAが担っています。これは開発と活用推進を担うシステム開発本部の中でも、社内各所に“顔が広い”業務部門経験者が現場に打診し、総数の多い作業からロボット化する戦略が功を奏した結果でもあります。FMEA文書の登録関連だけでも月100時間相当の手作業を解消するなど、着実に実績を上積みしています。
また従業員の心理面では、円滑な導入対象選定のポイントとして、①人員削減目的という誤解や警戒を生まないよう、ロボット化により現場で生じた余剰時間を何に使うかはあえて確認しない、②増員なしでも新たな業務に注力できるメリットを強調すると同時に、誰か1人ではなく部署全員が関係する作業の負担解消を提案しながら活用を推進しています。

日亜化学工業/BizRobo!導入事例記事:https://rpa-technologies.com/case/case098/

DX・効率化への関心が高まる現場で、活用範囲のさらなる拡大を検討

日亜化学工業ではBizRobo!導入から5年を経て、既存の手作業をそのまま置き換える工程がおおむね一巡し、業務フローを刷新する一環としての応用に重点が移りつつあります。そのため、作業代替によるリソース創出効果に着目してきたRPAは、ノーコード開発ツールと社内システムの連携時に用いることができる標準ツールとして、役割を再定義する段階となっています。
実際の取り組みとしては、最盛期におよそ30人いたRPA現場開発者の新規育成をいったん停止し、システム開発本部の数名による実装を原則としながら、現場担当者を開発メンバーに迎える運用も適宜検討していく予定です。そして専用システムの内製組織がある生産現場に対しても、一時的作業の受け皿などとしてRPAを提案し、活用範囲をさらに広げながらDXへの貢献を進める方針としています。

オープンは、BizRobo!の内製開発により現場業務の革新を行いたい企業に対して、eラーニングコンテンツの提供や伴走支援を行っています。また今後はRPAの開発工程において、生成AI活用による作業簡略化についても技術提供を進める方針です。デジタルレイバーをより手軽に活用できる環境を整備することにより、働き方改革やスタッフのタスクシフト、注力すべき業務に集中するための余力創出に寄与してまいります。

■「BizRobo!」について

「BizRobo!」は、ホワイトカラーの生産性を革新する、ソフトウェアロボットの導入・運用を支援するデジタルレイバープラットフォームです。「ロボット」と「IT」によって、ホワイトカラーをルーティンワークから解放し、企業を始め社会全体の生産性向上を図り、未来の働き方を変えていきます。

詳細につきましては製品ページ: https://rpa-technologies.com/products をご覧ください。

主要製品ラインナップ

【会社概要】

■オープン株式会社(https://open.co.jp/

  • 本社所在地:東京都港区西新橋3-3-1 KDX西新橋ビル 3階
  • 設立   :2013年7月
  • 代表者  :代表取締役執行役員社長 石井 岳之
  • 資本金  :3,000万円
  • 事業内容 :スマートロボット(RPA、AI)を活用した情報処理サービス、コンサルタント事業、
          アウトソーシング事業、デジタルマーケティング、オンライン広告事業

日亜化学工業株式会社(https://www.nichia.co.jp/jp/

  • 本社所在地:徳島県阿南市上中町岡491番地
  • 設立   :1956年12月
  • 代表者  :代表取締役社長 小川 裕義
  • 資本金  :520億2,644万1千円
  • 事業内容 :化学品事業<正極材料、磁性材料、蛍光体、有機金属錯体、
          ファインケミカル(電子材料、医薬品原料、食品添加物)、真空蒸着材料>
          光半導体事業<LED(発光ダイオード)、LD(半導体レーザー)、光半導体材料>

【報道関係お問い合わせ先】
オープン株式会社 広報担当:髙橋 亜希子
Mail:pr.biz@open.co.jp